大阪クラシック2008 [音楽]
今年で三年目
昨年、大阪クラシックの情報をいただいて、今年こそ行ってみなくてはと思っていました。9月7日が第1日ということで、プログラム1番(11:00~11:30)の大植さん指揮のオーケストラ演奏をめがけて行きました。
大阪クラシックとは、大阪市、大阪フィルハーモニー協会、御堂筋まちづくりネットワークが実行委員会となって、御堂筋一帯を一週間に亘ってクラシックの音楽であふれさせようという企画です。プロデュースは大フィルの大植英次さん、一週間でなんと65回に及ぶコンサートが計画されています。場所は大阪市役所をはじめ、銀行のIFフロアや学校の講堂、喫茶店、お寺と多岐にわたっていますが、すべて御堂筋沿いにある施設です。一部、有料のコンサートもありますが、多くは無料で、人気のコンサートには整理券が発行されます。
10時半に大阪市役所に着きましたが、時すでに遅し、プログラム1のコンサートは満員御礼で締め切っていました。しかたなく4時からの7番のコンサートの整理券と、すべての出し物が載っているプログラムをゲットしました。ちなみにプログラム1の演目は、ワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲とシベリウスの『フィンランディア』だったのです。後者の曲は、ちょっと前にBS2の『名曲探偵 アマデウス』で取り上げていたので、ぜひとも聴きたかったのですが、次回のお楽しみにいたします。
4時まで待つにしても、時間がたくさんあります。中ノ島公会堂の東側にある大阪市東洋陶磁美術館でたしか『鼻煙壺1000』という企画をやっていたことを思い出して入って時間を潰すことにしました。
ビエンコなんてカタカナで書くと、はいからな感じがしますが、嗅ぎ煙草を入れるビンのことです。煙草はアメリカ大陸からヨーロッパに伝わり、中国に入ったということですが、中国清王朝において密閉式のつぼ型になったそうです。コレクターとして知られる沖正一郎氏が大阪市に寄付したことを記念して、展覧会を開催したそうですが、なんとその数1200点に及ぶそうです。
初期の鼻煙壺は陶器で出来ていて、白と青の素朴なものだったのが、色彩が豊かになり、やがてガラスで作られるようになり、そのガラスも透明なもの、色つきのもの、とんぼ玉のようなものと多彩な製品が出来てきます。香水入れにも似た手のひらサイズの大きさの壺は工芸品として進化を遂げていきます。蓋が凝っていて、宝石がのっかったものが多かったです。本体もめのうや琥珀、象牙、鼈甲、トルコ石、オパール、ラピスラズリ、水晶とためいきが出るような細工物になっていきます。また、珍しい石(化石が入ったようなもの)も多数ありました。細工や絵の緻密さも、驚くばかりで、たとえばガラスでできた白菜の表面には小さい青虫がのっかっていたり、透かし彫りが施してある象牙のものや陶器製のもの、今日はこれだけ観に来ても充分価値があったと思います。
ちょっと眼が疲れたので、美術館の中のティーサロンへ。バラのジュースとやらを飲んでみました。ほんのり甘く、上品なお味でした。
ちょうど、美術館を出たころに、大阪市役所のホールでコンサートがあるようで、人だかりがしています。ここは、整理券も要らないようなだし、4時にはまだまだ間があるので、聴くことにしました。演目はM.ハイドンの「オーボエ・ヴィオラ・コントラバスのためのディヴェルメント」とバンハルの「ヴァイオリン・ヴィオラ・コントラバスのためのトリオ」、あまりなじみのないバロック音楽でちょっとうつらうつらしてしまいました。ゴメン!
大阪市役所のシャンデリアは見事です。新しくなって始めて入ったわけですが、なかなか重厚な感じがしました。
さあ、いよいよ大植さん指揮ではなく、チェンバロのコンサートです。他にヴァイオリン長原幸太さん(主席ヴァイオリン?)、フルート榎田雅祥さんです。曲目はマラン・マレーの『ラ・フォリア』これはフルートとチェンバロの共演です。次の曲は、タルティーニの『悪魔のトリル』ヴァイオリンとチェンバロです。長原さんが弾いているヴァイオリンは、ストラディヴァリウスだそうで、超絶技巧でトリルを弾く他、なんともいえない含みのある音を出しておられました。
私の整理券は、立ち見席だったので、だんだん足が痛くなってきます。それでも、かなり前の方で立っているので、チェンバロを弾く大植さんと眼が合いそうになるような場所でした。しまいに靴を脱いではだしで立って観ることにしました。
最後は、C.P.E.バッハの『トリオ・ソナタ』。フルートとヴァイオリンが掛け合いをする曲でした。最後に、鳴り止まない拍手。普通だったら、アンコールといくところですがすでに30分が45分に伸びています。面白いことに、ヴァイオリンの長原さんが、スタッフの青年を指して、「さくまくん、上がってきてください。さくまくんにやってもらいます。」とほとんど強制的に指名されました。さくまくんは名札をぶらさげて、さっきまでお客さんの誘導をされていたので、観客もびっくりしていました。きっと先輩が、後輩のためにこのあと演奏する曲を練習させてあげようとされたのかなと思っていました。さくまくんは、スメタナのヴァイオリン曲をストラディヴァリウスでなんなく弾かれていました。
今日から一週間続くので、また時間がうまくいけば行きたいです。
それにしても、どうやらスタッフも大フィルの方たちがやっているようです。ウィークディは他の団体も応援しているのかも知れませんが、たいへんな犠牲をはらってやっていただいているようです。皆さん、疲れを出さないようにがんばってくださいね。
http://music-kansai.net/topic3.html
昨年、大阪クラシックの情報をいただいて、今年こそ行ってみなくてはと思っていました。9月7日が第1日ということで、プログラム1番(11:00~11:30)の大植さん指揮のオーケストラ演奏をめがけて行きました。
大阪クラシックとは、大阪市、大阪フィルハーモニー協会、御堂筋まちづくりネットワークが実行委員会となって、御堂筋一帯を一週間に亘ってクラシックの音楽であふれさせようという企画です。プロデュースは大フィルの大植英次さん、一週間でなんと65回に及ぶコンサートが計画されています。場所は大阪市役所をはじめ、銀行のIFフロアや学校の講堂、喫茶店、お寺と多岐にわたっていますが、すべて御堂筋沿いにある施設です。一部、有料のコンサートもありますが、多くは無料で、人気のコンサートには整理券が発行されます。
10時半に大阪市役所に着きましたが、時すでに遅し、プログラム1のコンサートは満員御礼で締め切っていました。しかたなく4時からの7番のコンサートの整理券と、すべての出し物が載っているプログラムをゲットしました。ちなみにプログラム1の演目は、ワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲とシベリウスの『フィンランディア』だったのです。後者の曲は、ちょっと前にBS2の『名曲探偵 アマデウス』で取り上げていたので、ぜひとも聴きたかったのですが、次回のお楽しみにいたします。
4時まで待つにしても、時間がたくさんあります。中ノ島公会堂の東側にある大阪市東洋陶磁美術館でたしか『鼻煙壺1000』という企画をやっていたことを思い出して入って時間を潰すことにしました。
ビエンコなんてカタカナで書くと、はいからな感じがしますが、嗅ぎ煙草を入れるビンのことです。煙草はアメリカ大陸からヨーロッパに伝わり、中国に入ったということですが、中国清王朝において密閉式のつぼ型になったそうです。コレクターとして知られる沖正一郎氏が大阪市に寄付したことを記念して、展覧会を開催したそうですが、なんとその数1200点に及ぶそうです。
初期の鼻煙壺は陶器で出来ていて、白と青の素朴なものだったのが、色彩が豊かになり、やがてガラスで作られるようになり、そのガラスも透明なもの、色つきのもの、とんぼ玉のようなものと多彩な製品が出来てきます。香水入れにも似た手のひらサイズの大きさの壺は工芸品として進化を遂げていきます。蓋が凝っていて、宝石がのっかったものが多かったです。本体もめのうや琥珀、象牙、鼈甲、トルコ石、オパール、ラピスラズリ、水晶とためいきが出るような細工物になっていきます。また、珍しい石(化石が入ったようなもの)も多数ありました。細工や絵の緻密さも、驚くばかりで、たとえばガラスでできた白菜の表面には小さい青虫がのっかっていたり、透かし彫りが施してある象牙のものや陶器製のもの、今日はこれだけ観に来ても充分価値があったと思います。
ちょっと眼が疲れたので、美術館の中のティーサロンへ。バラのジュースとやらを飲んでみました。ほんのり甘く、上品なお味でした。
ちょうど、美術館を出たころに、大阪市役所のホールでコンサートがあるようで、人だかりがしています。ここは、整理券も要らないようなだし、4時にはまだまだ間があるので、聴くことにしました。演目はM.ハイドンの「オーボエ・ヴィオラ・コントラバスのためのディヴェルメント」とバンハルの「ヴァイオリン・ヴィオラ・コントラバスのためのトリオ」、あまりなじみのないバロック音楽でちょっとうつらうつらしてしまいました。ゴメン!
大阪市役所のシャンデリアは見事です。新しくなって始めて入ったわけですが、なかなか重厚な感じがしました。
さあ、いよいよ大植さん指揮ではなく、チェンバロのコンサートです。他にヴァイオリン長原幸太さん(主席ヴァイオリン?)、フルート榎田雅祥さんです。曲目はマラン・マレーの『ラ・フォリア』これはフルートとチェンバロの共演です。次の曲は、タルティーニの『悪魔のトリル』ヴァイオリンとチェンバロです。長原さんが弾いているヴァイオリンは、ストラディヴァリウスだそうで、超絶技巧でトリルを弾く他、なんともいえない含みのある音を出しておられました。
私の整理券は、立ち見席だったので、だんだん足が痛くなってきます。それでも、かなり前の方で立っているので、チェンバロを弾く大植さんと眼が合いそうになるような場所でした。しまいに靴を脱いではだしで立って観ることにしました。
最後は、C.P.E.バッハの『トリオ・ソナタ』。フルートとヴァイオリンが掛け合いをする曲でした。最後に、鳴り止まない拍手。普通だったら、アンコールといくところですがすでに30分が45分に伸びています。面白いことに、ヴァイオリンの長原さんが、スタッフの青年を指して、「さくまくん、上がってきてください。さくまくんにやってもらいます。」とほとんど強制的に指名されました。さくまくんは名札をぶらさげて、さっきまでお客さんの誘導をされていたので、観客もびっくりしていました。きっと先輩が、後輩のためにこのあと演奏する曲を練習させてあげようとされたのかなと思っていました。さくまくんは、スメタナのヴァイオリン曲をストラディヴァリウスでなんなく弾かれていました。
今日から一週間続くので、また時間がうまくいけば行きたいです。
それにしても、どうやらスタッフも大フィルの方たちがやっているようです。ウィークディは他の団体も応援しているのかも知れませんが、たいへんな犠牲をはらってやっていただいているようです。皆さん、疲れを出さないようにがんばってくださいね。
http://music-kansai.net/topic3.html
いいコンサートですね~。私も結構、コンサートへ出かけますが、これほど多彩な演奏はありません。さすが大フィルですね。
by masayuk (2008-09-08 00:21)
masayukさんへ:新聞などでは、まだあまり取り上げられていないようですので、意外と知らない人が多いようです。しかし、奈良県から来たという方にも会いましたので、クチコミで広がっているのでしょうね。朝比奈さんのころは、レコードやCDの記録が多いのですが、大植さんになってからはCDよりも生で聴くことを広げておられるようです。
by whitered (2008-09-08 07:25)