ピンチヒッターでオペラ [音楽]
初オペラ『フィガロの結婚』
ラッキーが舞い込んできました
おととい18日の晩、ベッドでうとうと始めたときに電話が鳴りました。ねぼけ声で、「もしもし私ですが。」というと、
「明日の晩空いてない?」仲良しの友だちからでした。
「あ、あ、空いているけど。」とちょっといぶかしげな私です。
「オペラ行かない?」
「お、お、オペラ?」
訳を聞けば、別の友だちと行くはずだったのが、その人がおとといの朝に捻挫をされて動けないので、行ける人を探しているとの事でした。私は映画でも行こうかななんて思っていたぐらいなので、
「行く、行く。」と即座に応答し、早速、頭の中ではなにを着て行こうかなんて、前向きもいいところです。
そこで昨日、ルンルン気分で肥後橋のフェスティバルホールへ行ってきました。
フェスティバルホールは、かつては東洋一のコンサートホールだという触れ込みで建ったところですが、朝日新聞社の社屋と共に来年から再建築されるので、こちらでのコンサートもあとひと月あまりです。2013年には、フェスティバル・タワーとして生まれ変わる予定だそうです。
昨日の出し物は、ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラの『フィガロの結婚』でした。テレビでは、観る機会があっても生オペラは初めてです。なにしろ行こうかどうしようと迷っている間に終わってしまうのが、常でした。だから、今回はいいチャンスです。あまりメジャーなチームではないので、価格もわりとお値打ちでした。もちろんピンチヒッターでも、楽しむのは私だから、ちゃんと払いましたよ。といっても、今度、京都の顔見世に行くチケットは私が取ったので、ちょうどおあいこでした。
あまりにも有名な演目なので、あらすじははしょりますが、モーツァルトのオペラの代表作です。ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇団は、11月13日の愛知県芸術劇場を皮切りに29回の公園を日本各地で行なっています。ほとんどが関東周辺で行われるようですが、最後は東京文化会館であるようです。『フィガロの結婚』と『魔笛』と『セビリアの理髪師』の三つを引っさげて、来日しています。同歌劇団は1999年に初来日し、今回で5回目を数えるそうです。
幕が上がり、簡潔ながら重厚な装置が現れます。まずスザンナがソプラノで、自分の結婚の喜びを歌います。そして、フィガロの登場、二人の合唱・・・二人はアルマヴィーヴァ伯爵に仕えています。伯爵は好色な人のようで、スザンナを自分のものにしたいと思っているようです。伯爵夫人ロジーナはなんとか伯爵の浮気を止めさせようと、スザンナの力を借りるのです。そして、結婚式の夜、スザンナは伯爵をこらしめることになるのです。
他にケルビーノという少年や実はフィガロの産みの母であったという女官長のマルチェリーナ、バルトロ(フィガロの父)など魅力的な登場人物が、ややこしく絡んできます。
このころの貴族社会を風刺した喜劇(フランスのボーマルシェが書いた≪セビリアの理髪師≫がそれ)で、ロッシーニは、前半部分をモーツァルトの『フィガロの結婚』よりも後に書いたらしいです。同じ登場人物が出てくるのは、同じ原作を扱ったからなのです。それは、2000円もしたプログラムに書いてありました。
当時の観客には、こういう面白おかしいものが人気だったのでしょうね。
オペラの歌詞は、舞台の両袖に設けられた電光掲示板に和訳で出てくるので、首を横に向けたり、正面に向けたり忙しかったです。あるところで、たぶんパードレという言葉が分かったので、これはイタリア語なんじゃないかと友だちに言っていましたが、種明かしは例のプログラムに書いてありました。
モーツアルトが生まれた頃は、まだイタリア歌劇が全盛だったのだそうです。もちろんドイツ語のオペラも書いていますが、この歌劇はイタリア語で書いたそうです。モーツァルトも父親と一緒に行ったり、三度ほどイタリアに行っているそうです。
歌い手たちは、なかなか上手でした。スザンヌもロジーナもケルビーノもアリアがとても美しかったです。フィガロ役の人は、ちょっと力強さが足りないように思いましたが、スマートなイケメンだったから許しましょう。マイクなしで、大劇場を響かせるのですから、よしとしましょう。
初オペラは、大満足でした。リズミカルでテンポのいい展開はもちろん観るものを退屈させませんが、モーツァルトは、見せ場を作るのがうまいと思いました。登場人物の一人ひとりをクローズアップさせて、アリアよし、二重唱よし、アンサンブルよしで、登場人物の心情をうまく表していました。
もう一つ印象に残ったのは、貴族が持っていたという「初夜権」。どうも奉公人の初夜を主人が受け持つという権利らしい。それもボーマルシェの喜劇が風刺し、貴族社会の封建制を批判したかったようなのですが、それが本当なら、なかなか革新的な内容をはらんでいたのですね。
という訳で、行き帰り近年まれな寒波の中をルンルンと満足して帰ってきました。
今日のよそおいは、錆び紺の色無地にちょっとはで目の水色地に金銀の銀杏を散らした袋帯。御堂筋の銀杏並木に合わせたつもりなんですが・・・。羽織はなしでコートとショールをひっかけただけは、ちょっと寒いくらいでした。
ラッキーが舞い込んできました
おととい18日の晩、ベッドでうとうと始めたときに電話が鳴りました。ねぼけ声で、「もしもし私ですが。」というと、
「明日の晩空いてない?」仲良しの友だちからでした。
「あ、あ、空いているけど。」とちょっといぶかしげな私です。
「オペラ行かない?」
「お、お、オペラ?」
訳を聞けば、別の友だちと行くはずだったのが、その人がおとといの朝に捻挫をされて動けないので、行ける人を探しているとの事でした。私は映画でも行こうかななんて思っていたぐらいなので、
「行く、行く。」と即座に応答し、早速、頭の中ではなにを着て行こうかなんて、前向きもいいところです。
そこで昨日、ルンルン気分で肥後橋のフェスティバルホールへ行ってきました。
フェスティバルホールは、かつては東洋一のコンサートホールだという触れ込みで建ったところですが、朝日新聞社の社屋と共に来年から再建築されるので、こちらでのコンサートもあとひと月あまりです。2013年には、フェスティバル・タワーとして生まれ変わる予定だそうです。
昨日の出し物は、ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラの『フィガロの結婚』でした。テレビでは、観る機会があっても生オペラは初めてです。なにしろ行こうかどうしようと迷っている間に終わってしまうのが、常でした。だから、今回はいいチャンスです。あまりメジャーなチームではないので、価格もわりとお値打ちでした。もちろんピンチヒッターでも、楽しむのは私だから、ちゃんと払いましたよ。といっても、今度、京都の顔見世に行くチケットは私が取ったので、ちょうどおあいこでした。
あまりにも有名な演目なので、あらすじははしょりますが、モーツァルトのオペラの代表作です。ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇団は、11月13日の愛知県芸術劇場を皮切りに29回の公園を日本各地で行なっています。ほとんどが関東周辺で行われるようですが、最後は東京文化会館であるようです。『フィガロの結婚』と『魔笛』と『セビリアの理髪師』の三つを引っさげて、来日しています。同歌劇団は1999年に初来日し、今回で5回目を数えるそうです。
幕が上がり、簡潔ながら重厚な装置が現れます。まずスザンナがソプラノで、自分の結婚の喜びを歌います。そして、フィガロの登場、二人の合唱・・・二人はアルマヴィーヴァ伯爵に仕えています。伯爵は好色な人のようで、スザンナを自分のものにしたいと思っているようです。伯爵夫人ロジーナはなんとか伯爵の浮気を止めさせようと、スザンナの力を借りるのです。そして、結婚式の夜、スザンナは伯爵をこらしめることになるのです。
他にケルビーノという少年や実はフィガロの産みの母であったという女官長のマルチェリーナ、バルトロ(フィガロの父)など魅力的な登場人物が、ややこしく絡んできます。
このころの貴族社会を風刺した喜劇(フランスのボーマルシェが書いた≪セビリアの理髪師≫がそれ)で、ロッシーニは、前半部分をモーツァルトの『フィガロの結婚』よりも後に書いたらしいです。同じ登場人物が出てくるのは、同じ原作を扱ったからなのです。それは、2000円もしたプログラムに書いてありました。
当時の観客には、こういう面白おかしいものが人気だったのでしょうね。
オペラの歌詞は、舞台の両袖に設けられた電光掲示板に和訳で出てくるので、首を横に向けたり、正面に向けたり忙しかったです。あるところで、たぶんパードレという言葉が分かったので、これはイタリア語なんじゃないかと友だちに言っていましたが、種明かしは例のプログラムに書いてありました。
モーツアルトが生まれた頃は、まだイタリア歌劇が全盛だったのだそうです。もちろんドイツ語のオペラも書いていますが、この歌劇はイタリア語で書いたそうです。モーツァルトも父親と一緒に行ったり、三度ほどイタリアに行っているそうです。
歌い手たちは、なかなか上手でした。スザンヌもロジーナもケルビーノもアリアがとても美しかったです。フィガロ役の人は、ちょっと力強さが足りないように思いましたが、スマートなイケメンだったから許しましょう。マイクなしで、大劇場を響かせるのですから、よしとしましょう。
初オペラは、大満足でした。リズミカルでテンポのいい展開はもちろん観るものを退屈させませんが、モーツァルトは、見せ場を作るのがうまいと思いました。登場人物の一人ひとりをクローズアップさせて、アリアよし、二重唱よし、アンサンブルよしで、登場人物の心情をうまく表していました。
もう一つ印象に残ったのは、貴族が持っていたという「初夜権」。どうも奉公人の初夜を主人が受け持つという権利らしい。それもボーマルシェの喜劇が風刺し、貴族社会の封建制を批判したかったようなのですが、それが本当なら、なかなか革新的な内容をはらんでいたのですね。
という訳で、行き帰り近年まれな寒波の中をルンルンと満足して帰ってきました。
今日のよそおいは、錆び紺の色無地にちょっとはで目の水色地に金銀の銀杏を散らした袋帯。御堂筋の銀杏並木に合わせたつもりなんですが・・・。羽織はなしでコートとショールをひっかけただけは、ちょっと寒いくらいでした。
いいなあ、オペラと聞くだけで、心が騒ぎます。
by kakasisannpo (2008-11-21 10:44)
セビリアの理髪師が見たかったのですが
フィガロの結婚を見に行ったことがあります
渋谷のオーチャードホールだったと思います
かなりこっけいなオペラで素人でも楽しめました
こんどはセビリアの理髪師も見たいです。。。
by ピロシキ (2008-11-21 15:55)
kakasisannposannpoさんへ:本当ですね。日本の歌舞伎のようなもので、総合芸術だから贅沢ですよね。一度くらいは、観たいと思っていました。
ピロシキさんへ:喜劇を下敷きにしているので、かなり滑稽です。今の日本の○○新喜劇と違うところは、お笑いでもちゃんと社会風刺なり、批判をしているところですね。12月2日午後6時半から渋谷Bunkamuraオーチャードホールで『セビリアの理髪師』が上演されますよ。同じ歌劇団のものです。
by whitered (2008-11-21 17:02)
モーツァルトオペラでは世界最高峰のワルシャワ室内歌劇場オペラ。
2006年公演(オーチャードホール)を観に行きました。
今回で5度目の来日と思いますが、今回もすばらしい公演でしょうね。残念ながら12月の東京地区公演は旅行中になるのでいけません。次回は是非行きたいと思ってます。
by masayuk (2008-11-22 00:24)
masayukさんへ:モーツァルトオペラでは最高峰?そうだったのですか。認識不足でした。教えていただきありがとうございます。ケルビーノが歌ったアリア『恋とはどんなものかしら』が耳について離れません。この曲によく似た唱歌を中学校時代に習ったような気がするのですが・・・こんな歌詞でしたけど。「庭かげ ひそかな 丁子の花 匂いをふくんで ふくらみ 咲く・・・」 とにかく良かったので、また観に行きたいです。
by whitered (2008-11-22 06:01)