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フレンズ オブ テルミン 練習発表会 [音楽]

素敵な場所で、すてきな音楽を


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 御堂筋の銀杏並木が黄金色にかがやくあたりを越えて、堺筋のほうへ歩いていくと、大阪綿業会館がありました。
こちらの建物は、国指定重要文化財であるとか。なるほど重厚な作りの古風なビルで、入り口は鉄の装飾模様がいかめしくも美しいです。大阪が昭和の初め、「東洋のマンチェスター」と言われ、綿工業で、世界一を誇っていた頃に、大阪城の数倍の建築費で建てられたビルだということです。現在も会員制で使用されていますが、こういうイベントなどでは貸し出しされているようです。

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ロビーに入ると、まぶしいシャンデリアに二階へ続く階段が両側からのびていました。ロビーには絨毯、階段には赤い敷物が。中央には、でんと実業家らしき人の彫刻の像。おそらくこのビル建設に功労のあった方なのでしょう。

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 今日は、この古くもゆかしい建物の中で、これまたロマンあふれる最古の電子楽器テルミンの練習発表会がありました。私が習っているK先生もフレンズ・オブ・テルミンのお仲間なので、出演されます。
レパートリーは、そろいもそろってマニアックな曲ばかりです。たとえばこういうのがあります。

 ・STAR TREK -original TV version/Alexander courage
 ・カンタータ156番より「我が片足すでに墓穴に入りぬ」/J.S.バッハ
 ・leiteland/演奏者作曲
 ・A Little Gift for Lyuba/青木朋子
 ・かけつけ一曲/作曲者不詳
 
 他、いろいろ。

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 計十七名の方の演奏がありました。どの方もテルミン暦は長く、そうかといって経験年数に比例するものでもないのですが、すごくうまい人が多かったです。K先生は、今年の夏(?)ノルウェーに行かれた時に、滞在されたleitelandの風景を思い浮かべて、作曲なさった曲を演奏されました。エフェクターを使っての二重奏部分は、前日決まったのだそうです。エフェクターなるものの威力は、この発表会で存分に知ることになりましたが、一人で多重奏的な複雑な演奏ができるらしいのです。もちろん、こういうことは上級レベルの方のなすことであって、私などは未だに左手と闘っておりますが。

 なんでテルミンなの?という問いかけには、百人百様の答えがあると思いますが、私にとってはまったく好奇心の対象そのものです。楽器に触れないで、エーテルの狭間にある音を拾い集めるのはなんとロマンに満ちていることか。音については、同じ楽器から無機質の電気音しか聞こえない場合もあるし、えもいわれぬ透き通った音が出る場合もある。ひたすら後者の音を追及して、練習しているわけですが、やはりうまい人はそれなりの練習をこなしています。
 男性では、機械の構造から入る方が多いと聞きます。昼間は某大学の電気工学かなんかで研究活動をして、隙間をねらってテルミンの演奏活動をされているかたとか。自分で今までに発売されたテルミンに改造を加えて、楽器を再構築してしまう方とか。
 女性では、あまり機械の中身に関心を示す方はまれなようです。世界的テルミン奏者のパメラ・カースティンという方は、テルミンの箱の中身に興味を持って始められたということですが。

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 昨年だったか、今年の初めだったか学研の「大人の科学」でテルミンが取り上げられましたね。それがすごい反響だったので、ふろく版を改良した製品版が発売されるそうです。税込み価格が9,975円というお手ごろ価格です。それが、今回の会場で置かれていました。休憩時間に皆さんおそるおそる試し弾きをされていましたが、わりと本格的な音がでるようです。私も三台目のテルミンを買っちゃおうかな、と密かに考えております。

http://otonanokagaku.net/index.html

 以上、フレンズ・オブ・テルミンの練習発表会に関するもろもろの事情でした。


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コメント 6

room7

テルミンを演奏されるなんて...素晴らしいですね! 映画による知識程度しか持ち合わせていませんが、「テルミン」という楽器の持つストーリーにロマンティックなものを感じます。
by room7 (2008-12-01 07:49) 

whitered

room7さんへ:コメントありがとうございます。テルミンが開発されたのは、ソビエト連邦が出来たころですから、古いですね。旧ソ連で生まれ、アメリカで育った楽器で、おっしゃるとおり伝説の楽器ですね。私はかれこれ4年になりますが、まだまだ未熟者で、もっと濃密な練習をしないといけないなと常々反省しています。
by whitered (2008-12-01 17:03) 

masayuk

テルミンですか。神秘的な楽器ですよね~。
正確な音程をとるには、相対音感を養わないといけませんよね、
一度、触ってみたいです。

by masayuk (2008-12-02 00:11) 

whitered

masayukさんへ:コメントありがとうございます。考えてみれば楽器というものには、どれにも神秘性があるものですね。民族楽器なんかも、神事や祭事に使われるものが多いですものね。テルミンも正確な音程がまず求められます。その上でやわらかさとか、なめらかさとかの表現力が必要です。
12月18日発売のテルミンは、アンプが必要なのですが、ねらい目です。フレンズ・オブ・テルミンの演奏会などは、よくやられているようですが、体験もできる時があります。
by whitered (2008-12-02 00:41) 

kakasisannpo

幻の楽器みたいに思っていましたが、テルミンを奏でることができるなんて凄いですね。
by kakasisannpo (2008-12-03 18:42) 

whitered

kakasisannpoさんへ:コメントありがとうございます。テルミンは二度ほどのブームがあったようです。一度目は記録映画が公開されたとき、そして今年の初め、学研の「大人の科学」で取り上げられてから。その間、10年ほどありますか。日本ではまだ愛好者が少ないので、若い楽器といえそうです。まだまだ追いつけますよ。
by whitered (2008-12-03 22:37) 

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