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光母子殺害事件 [ニュース]

家族に春は来たか?

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 昨日、9年前に起きた山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審判の判決が出た。どんな判決が出るのか、気になっていた。
広島高等裁判所は、ずばり死刑判決を出した。私はどちらかというと、死刑は廃止したほうがよいと思っているほうだが、この事件に関しては仕方がないのではと思えるふしがあった。
 初めの裁判で、元少年が犯行事実を認めて謝罪をしておきながら、二審では「殺意はなかった。母親に甘えたい気持ちであったのに、拒否され、かっとなった。」という供述をしている。それを紙面で読んだ時、なんと甘ったれた人間だろうと思った。18歳1ヶ月なら、もっともっと成熟した考えや責任をもってよいし、持つべきだ。たぶん、生育暦が精神形成に影響しているのであろうが、だからといって、何の罪もない親子が、ある日突然、一人の人間のきまぐれによって、尊い命を絶たれてよいはずはない。本村さんにとっては、死よりもつらい日々が始まったわけだ。9年間もよく、耐え抜かれたと思う。

 9年前のインタビューでは、本村さんは憎しみと悲しみをあらわに「かたきをとってやりたい。」と言っていた。江戸時代なら自分であだ討ちにも行けただろう。それができず、法にのっとって、耐えに耐えて今回の判決にのぞまれたことだろう。
「・・・今回の裁判所の見解は極めてまっとうだと思うし、正しい判決が下されたと思っています。」としながらも、「・・・遺族にとっては、報われる思いはあるが、被告と妻と娘の三人の命が奪われることになった。これは社会にとって不利益なこと」と話された。
9年の歳月は、極限状況にたたされた本村さんにとって、重く長い年月だったろう。そして、被告の命さえ社会の損失だと言われたことについて、以前のただ憎いといった感情から、ずいぶん深みのある思想性を備えてこられたなあと眼を見張る思いがする。

 そして、「これで終わるのでなく、どうすれば加害者も被害者も出ない平和で安全な社会を作れるのかということを考える契機になれば。」とおっしゃっている。ほんとにすごい人だ。それだけ妻や娘を愛し、その死に向き合ってこられたということだ。私自身、なぜこの事件に関心をむけるかというと、自分の息子が結婚し、子どもが産まれたことも関係がある。つまり、イマジネーションが働くのだ。自分の息子がこのような立場に置かれたらどうするか。なんとも切なくはがゆいことだろう。そして、元少年の父親もずいぶん辛い思いをされていることだろう。そして、後悔も。

 こんな悲しいことは、終わりにすることができないものだろうか。親子の関係ももっともっと見直されないといけないだろうし、世の中も不幸な人に関心をもつようにならなくてはと思う。自分は自分だけのものではない。家族の一員であるし、社会の一員でもある。もちろんどういう社会をよしとするかは別の問題であるけど。

 判決は、一つの節目になったけれど、本村さんの妻子は二度ともどらない。こんな事件が起こらないようになることが、天国の母子にとっても永遠の命につながるのではなかろうか。

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タグ:光母子殺害
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コメント 1

Ranger

ほんとに幸せの絶頂の時期にこのような出来事が・・・
本村さんの妻子は二度ともどらないんですものね

なんとも心苦しい事件でした。
by Ranger (2008-04-25 16:19) 

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