映画 ロルナの祈り [映画]
弱くて強い女性映画
ベートーヴェン最後のピアノ・ソナタ「第32番ハ短調作品111」を聴きながら、これを書いています。このピアノ・ソナタの「第二楽章アリエッタ」が映画「ロルナの祈り」のエンディングに使われていたからです。そもそもこの映画の監督ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟は、映画の中ではもちろんエンディングにいたるまで、いっさい音楽を使わないことで有名だったそうです。初めて映画の中で使った曲がこのベートーヴェン最晩年のソナタだということで、もう一度聴きたくなったのです。映画は、梅田のガーデンシネマでありました。
あらすじを簡単に書きます。ベルギーで幸せに暮らすことを夢見てアルバニアからやってきたロルナは、国籍を得るために偽装結婚をします。相手は、麻薬中毒の青年クローディです。家の中では、ロルナはクローディを寄せ付けません。クローディは、なんとか麻薬から抜け出そうともがいていて、助けをロルナに求めます。実はロルナには、同郷のソコルという恋人がいます。二人には、お金を稼いでベルギーでバーを持とうという夢があります。ロルナに偽装結婚を紹介した、ブローカー(マフィア)は、ロルナが国籍をとった後、またロシア人と結婚させて、紹介料をとろうと企んでいます。ロルナは目標を達成するために、自分が犯罪に手を染めていることを知っていますが、ファビオがクローディを殺そうとしているのを知り、なんとか食い止めようとします。そして、クローディが麻薬中毒から抜け出そうとするのに、本気で助けようとしている自分に気がつきます。
あんまり書くと、ネタバレになるのでこの辺で。といいながら、書いてしまうことになりそうですが、私はクローディに愛が移ったとは思いませんでした。クローディが孤独なたたかいを強いられているのに、なんとか身体をはって寄り添おうとしたと思っています。クローディがいなくなってから、身重になってしまったロルナは、恋人のソコルも本当に自分を愛してはいないと気付きます。そして、ロルナのたたかいが始まるのです。
ベルギーの裏町、不幸せな人々を描いた作品でしたが、リアリティに富み、いつしか引き付けられていきました。ロルナを演じていたのは、コソヴォ共和国出身でマケドニアの難民キャンプでも暮らしたことがあるという新進女優アルタ・ドブロシです。美しく知性的で意志の強そうな顔立ちをしていました。最後のシーンでは、無一文で追われるロルナが、「食べ物は明日、さがそう。誰かが私たちのために恵んでくれるでしょう。」といいながら、ストーブのそばで眠るのです。明日への希望を感じさせてくれるシーンでした。
ベートーヴェン最後のピアノ・ソナタ「第32番ハ短調作品111」を聴きながら、これを書いています。このピアノ・ソナタの「第二楽章アリエッタ」が映画「ロルナの祈り」のエンディングに使われていたからです。そもそもこの映画の監督ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟は、映画の中ではもちろんエンディングにいたるまで、いっさい音楽を使わないことで有名だったそうです。初めて映画の中で使った曲がこのベートーヴェン最晩年のソナタだということで、もう一度聴きたくなったのです。映画は、梅田のガーデンシネマでありました。
あらすじを簡単に書きます。ベルギーで幸せに暮らすことを夢見てアルバニアからやってきたロルナは、国籍を得るために偽装結婚をします。相手は、麻薬中毒の青年クローディです。家の中では、ロルナはクローディを寄せ付けません。クローディは、なんとか麻薬から抜け出そうともがいていて、助けをロルナに求めます。実はロルナには、同郷のソコルという恋人がいます。二人には、お金を稼いでベルギーでバーを持とうという夢があります。ロルナに偽装結婚を紹介した、ブローカー(マフィア)は、ロルナが国籍をとった後、またロシア人と結婚させて、紹介料をとろうと企んでいます。ロルナは目標を達成するために、自分が犯罪に手を染めていることを知っていますが、ファビオがクローディを殺そうとしているのを知り、なんとか食い止めようとします。そして、クローディが麻薬中毒から抜け出そうとするのに、本気で助けようとしている自分に気がつきます。
あんまり書くと、ネタバレになるのでこの辺で。といいながら、書いてしまうことになりそうですが、私はクローディに愛が移ったとは思いませんでした。クローディが孤独なたたかいを強いられているのに、なんとか身体をはって寄り添おうとしたと思っています。クローディがいなくなってから、身重になってしまったロルナは、恋人のソコルも本当に自分を愛してはいないと気付きます。そして、ロルナのたたかいが始まるのです。
ベルギーの裏町、不幸せな人々を描いた作品でしたが、リアリティに富み、いつしか引き付けられていきました。ロルナを演じていたのは、コソヴォ共和国出身でマケドニアの難民キャンプでも暮らしたことがあるという新進女優アルタ・ドブロシです。美しく知性的で意志の強そうな顔立ちをしていました。最後のシーンでは、無一文で追われるロルナが、「食べ物は明日、さがそう。誰かが私たちのために恵んでくれるでしょう。」といいながら、ストーブのそばで眠るのです。明日への希望を感じさせてくれるシーンでした。
エンディングに使われたのは、32番第二楽章の最初の部分の、ややゆっくりのところから、段々テンポが上がるあたりでしょうか。
映画の筋書きと合う感じがします。
エンディングでこのソナタが入るのを想像すると、「映画が終わっても、生き方は永遠に・・」って感じますよ。きっと考えさせられる映画なんでしょうね。
by masayuk (2009-02-11 00:06)
masayukさんへ:コメントありがとうございます。そうです、そうです。第二楽章冒頭から入っていきます。masayukさんがおっしゃるとおり、恋人に裏切られ、お腹の子どもの父親は殺されるのですが、新しい命を守るために新しい生き方に目覚める女性の話です。カンヌ映画祭の脚本賞をとったそうです。
by whitered (2009-02-11 00:27)
是非、見たい映画です。
by room7 (2009-02-18 08:26)
room7さんへ:コメントありがとうございます。ミニシアター系の映画なのですが、考えさせられるところが多かったです。
by whitered (2009-02-18 08:37)