小野竹喬展 [アート]
圧倒的な画業!!
先日の日曜日、大阪市立美術館に『小野竹喬展』を観に行きました。
小野竹喬は、1889年に岡山県の笠岡に生まれた人で、14才のときに京都の竹内栖鳳に入門します。祖父と長兄が画家であったそうで、特に長兄の竹桃の影響が大きかったようです。
今回は、日本画119点、素描52点という膨大な作品が一挙に展示され、小野竹喬の作品と画風の変遷が克明に分かるようになっていました。
第一章は、<写実主義と日本画の問題点>というテーマで初期から、渡欧して西洋画を取り入れた頃の作品まで、年齢でいうと10代から40代ころまでの作品の展示でした。
上の絵は、小野竹喬が17才のときに描いた絵です。先生の竹内栖鳳に芭蕉の俳句から画題を選ぶことを指示され、「馬ぼくぼく我を絵に見る夏野かな」という俳句を絵にしたものです。若干17才にして、すごい描画の力を持った人だなと思います。
20才の頃の絵で、細部にこだわった「花の山」の絵です。この頃は、まだ南画に傾倒していて、どことなく水墨画風の描き方が用いられているものの、西洋画の写実性にも影響されているようです。
とくに小野竹喬はクールベ、モネ、セザンヌに関心をいだき、その受容のしかたも独特なのです。クールベについては措くとして、モネの点描には、江戸南画の与謝蕪村に共通のものを見出し、セザンヌについては富岡鉄斎と共通性を見出したそうで、幅広く内外の画家を自身の中で消化して、よさを取り入れているのです。
掛け軸の絵のような縦長の絵では、上へ上へと景色を積み重ねていく方法で、墨による筆触を強調したのは、セザンヌの影響が強いということです。そして、南国風の原色を強調した下の「はぐくまる朝」のような絵では、アンリ・ルソーのような瑞々しさを感じました。
渡欧の時の素描については、特別コーナーという形で展示してあり、油絵を志した画家たちがしたように、ヨーロッパの絵画の聖地をデッサンして回っているのが分かります。
第二章については、次回に回します。
先日の日曜日、大阪市立美術館に『小野竹喬展』を観に行きました。
小野竹喬は、1889年に岡山県の笠岡に生まれた人で、14才のときに京都の竹内栖鳳に入門します。祖父と長兄が画家であったそうで、特に長兄の竹桃の影響が大きかったようです。
今回は、日本画119点、素描52点という膨大な作品が一挙に展示され、小野竹喬の作品と画風の変遷が克明に分かるようになっていました。
第一章は、<写実主義と日本画の問題点>というテーマで初期から、渡欧して西洋画を取り入れた頃の作品まで、年齢でいうと10代から40代ころまでの作品の展示でした。
上の絵は、小野竹喬が17才のときに描いた絵です。先生の竹内栖鳳に芭蕉の俳句から画題を選ぶことを指示され、「馬ぼくぼく我を絵に見る夏野かな」という俳句を絵にしたものです。若干17才にして、すごい描画の力を持った人だなと思います。
20才の頃の絵で、細部にこだわった「花の山」の絵です。この頃は、まだ南画に傾倒していて、どことなく水墨画風の描き方が用いられているものの、西洋画の写実性にも影響されているようです。
とくに小野竹喬はクールベ、モネ、セザンヌに関心をいだき、その受容のしかたも独特なのです。クールベについては措くとして、モネの点描には、江戸南画の与謝蕪村に共通のものを見出し、セザンヌについては富岡鉄斎と共通性を見出したそうで、幅広く内外の画家を自身の中で消化して、よさを取り入れているのです。
掛け軸の絵のような縦長の絵では、上へ上へと景色を積み重ねていく方法で、墨による筆触を強調したのは、セザンヌの影響が強いということです。そして、南国風の原色を強調した下の「はぐくまる朝」のような絵では、アンリ・ルソーのような瑞々しさを感じました。
渡欧の時の素描については、特別コーナーという形で展示してあり、油絵を志した画家たちがしたように、ヨーロッパの絵画の聖地をデッサンして回っているのが分かります。
第二章については、次回に回します。
こんばんは。
ただただ、素晴らしいの一言です。
東京で行われる来年の春が楽しみですw
by key-k (2009-12-11 10:52)
key-kさんへ:コメントありがとうございます。春に東京へ行くのですね。笠岡発の作品が多いので、西から順に行くのでしょうね。こんなにまとまって見れるのは、滅多にないのでどうぞ見てくださいね~。
by whitered (2009-12-11 17:41)
幅広く内外の画家を自身の中で消化し、よさを取り入れているという
点に才能と力量を感じます。素晴らしいですね☆
by アマデウス (2009-12-11 23:01)
アマデウスさんへ:コメントありがとうございます。他の画家の影響を受けても、消化して独自の画風に到達するために、画家でも音楽家でも苦悩するのでしょうね。晩年の絵では、まるで童画のような境地に達しているのではないかと思います。
by whitered (2009-12-11 23:19)