形見のきもの

うんと着てあげよう

　昨年のお正月、友だちの姉さんが亡くなられた。
私もよく知っている人だったので、「形見をもらって。」と友だちに言われ、お着物を見に行った。
姉さんのものか、お母様のものか分からないが、お姉さんの箪笥の中にあったものだ。
薄紫がお好きと見えて、薄紫色の小紋や色無地がたくさんあった。
私は、その中から黒褐色の絣の着物を選んだ。茶色の十字絣が入った素朴な柄であった。
生前、友だちのお姉様は、私と友だちが着物を着て出かけるのをすごくうらやましがっておられた。なくなられる前に、一度三人でどこかに行けたらよかったのだが、悔やんでもしかたがない。形見の着物を自分のサイズに直して、せいぜい着てあげようと思う。



先日、その着物の洗い張り、サイズ直しを頼んでいたのが出来上がり、取りに行った。裏地の布が足りなくて、新しい裏地をつけてもらったので、新品同様になった。胸元にうすい汚れがあり、とれなかったらしいが、あまり目立たない。



私は、この着物は泥染めなので、大島かなと思っていたが、悉皆を頼んだお店のご主人はこれは久米島紬かもしれんよと言われた。友だちとどこか行く時に、着ていくことにしようと思っている。お姉さんの分まで楽しんであげよう。

タグ：形見　大島紬　久米島紬　泥染め　十字絣　悉皆

コメント 6

まいどです。こんにちは。
ご友人のお姉さまのこと、お悔やみ申し上げます。
着物は、もらえるとうれしいけど、今回は、ちょっと切ないですね。
こうやって、来歴がわかって、仕立て直してもらえると、着物もうれしいだろうし、着る方も、粗末にしないですよね。
泥染めの絣なら、手間も時間もかかった生地だから、こうやって、丁寧に”着物”として扱われていると、ほっとします。
by koji (2010-02-19 10:49) 

それは、いい供養です
きっと、そのお方は天国で微笑んでますね＾＾
by Ranger (2010-02-19 11:27) 

kojiさんへ：コメントありがとうございます。そうなんです。まだまだ元気で人生を楽しんでもらいたかったです。少しくらいお金がかかっても、再生してあげると着物も、故人も喜んでくれるかなと思っています。素朴な風合いで飽きがこない柄です。
by whitered (2010-02-19 17:50) 

Rangerさんへ：コメントありがとうございます。仕立て直しをして、手をかけてあげると着物にも愛着が湧いてきます。友だちと一緒に出かけるときは、三人で行ったような気になれると思います。
by whitered (2010-02-19 17:54) 

素敵な着物を頂きましたね♪
以前にもお友達から着物を頂いた記事を読んだように思います。
whiteredさんの人柄が忍ばれます～(´▽`)

by SAWA (2010-02-20 22:00) 

ＳＡＷＡさんへ：コメントありがとうございます。着物好きには、よく着物が集まるという話を聞きますが、あれは本当ですね。今までに４人くらい、帯やら着物をいただきましたよ。形見分けというのは、切ないので、なるだけない方がいいですね。
by whitered (2010-02-20 23:12)