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智積院 宿坊体験 [旅行]

新鮮だった宿坊体験

 19日の夕方、バスに乗って、東山七条まで行きました。バスの停留所の道を渡ると、すぐ目的地の智積院です。玄関が分からず、少し奥まで行って、また戻ってきました。受付で鍵を渡され、部屋に入ってみると、ちょっとした旅館並みのお部屋でした。

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冷房あり、テレビあり、朝の勤行つき。一泊朝食付きで6500円というのも魅力です。このあたりは、いい食事のお店がないので、夕飯も3000円の精進料理をたのみました。お風呂に行ってから、夕食のレストランに行きました。なるほど、精進料理とあって、食材は豆腐にこんにゃく、湯葉、ひろうず、それに野菜のオンパレードです。鰻かな?と思って口に入れると、高野豆腐で作った鰻もどきでした。健康とダイエットには申し分のない献立でしたが、量が多くて満腹状態。散歩もせず、お部屋で牛になってしまいました。

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次の朝、予告どおり5時半に館内放送があり、5時45分にはロビーに集合しました。若い坊さんが案内してくれ、まず本堂(講堂)に通されました。内陣にはすでに黒い衣の修行僧が22人右手と左に分かれて座っておられます。その後ろに黄色い衣を着た坊様が10数人控えておられました。お経が始まります。

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智積院というのは、真言宗の一つの派である智山派の総本山で、もとは和歌山県の根来あたりにあったらしいのですが、豊臣氏に攻められて、京都に移されたらしいのです。そして、こともあろうにその豊臣氏の亡くなった鶴松君のために建立された祥雲寺を寄進され、五百仏山根来寺智積院として今日に至るそうです。お寺を焼いたりすると、やはり後味が悪く、罪滅ぼしをするものなのでしょうか。
そういえば、東山には豊国神社、高台寺、方広寺など豊臣氏にかかわる寺社が多いです。
講堂での朝の勤行は、じつに荘厳で30人以上の僧侶の声明は圧巻でした。一人の僧が題目を唱えると、続いて30人の僧侶がユニゾンで確かな音程でお経が唱えられます。唱えるというより、高らかに唄われると言ったほうがふさわしく、事実音程が上がったり、下がったりするメロディに近いものがありました。そして、そのあととなりの不動明院に場所を移して、また勤行がありました。ここでは、大太鼓が速いリズムで打たれ、何か勇壮な雰囲気をかもし出して、心を奮い立たせるものがありました。戦国武将が好んで信仰の対象にした気持ちが分かります。

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一時間に及ぶ勤行が終わると、お茶がふるまわれました。以前に訪問したことのある長谷川等伯と久蔵親子の楓図、桜図のレプリカの襖絵のある部屋でした。前を見ると、小堀遠州作と言われる利休好みのお庭が心を洗ってくれるようでした。お茶のお菓子は、ききょうの家紋がついています。智積院の紋もききょうなのですが、なんでもこのお寺を普請した大名が加藤清正だということで、その紋を譲り受けたらしいです。

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そして、お茶の後は宝物館に入れてもらいました。そこには、国宝にもなった長谷川等伯一門の渾身の障壁画が多数納められています。桜図、楓図、松に秋草図、松に黄蜀葵図(とろろあおいず)など、貴重な作品が見れました。
さいきん、宿坊体験が一部の趣味人の間ではやっているようですが、智積院はその典型でいわば優等生タイプです。朝の勤行といい、名園を見ながらのお茶、宝物絵画の鑑賞などお得感(ちょっと俗っぽいですが)満載の宿坊でした。


その後、お寺の向かい側にあるハイアットリージェンシーまで行ってコーヒーを飲んでから、山科までタクシーに乗って、三十三箇所の番外にあたる華頂山元慶寺さんにお参りしてきました。久しぶりに妹といい旅ができました。

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コメント 8

sakura

こんにちは、さくらです♪
妹さんとご一緒というのが、何よりうらやましいです。
わたしは一人っ子なので、きょうだい喧嘩ができる友だちが
うらやましかったです。
一人っ子のよさももちろんあるのですが。
ところで、このお寺だけを、一般として宿泊可能ですか?

by sakura (2010-07-23 14:04) 

whitered

sakuraさんへ:コメントありがとうございます。もちろん、一般の方を対象にしていますので、智積院会館か宿坊で検索して、電話をかけてみてください。ときおり、妹と娘の名前をごっちゃにしてしまうほど、身近な存在です。ときどき偉そうに言ってしまうので、親しき仲にも、礼儀ありだぞと反省しています。
by whitered (2010-07-23 14:13) 

SAWA

こんにちは~
毎日、猛暑の関東地方ですので、外に出られない状態です・・・!!

しかし、涼しそうな画像を見せていただいて、京都に行った気分にさせて頂きました(^_^)♪
素敵なお寺での宿坊体験できて、良かったですね。
是非、体験したいものですね。

by SAWA (2010-07-24 16:04) 

whitered

SAWAさんへ:コメントありがとうございます。そちらも、大阪に負けないくらい暑そうですね。体調がいい限りは、あちこち歩いて大汗をかいています。しかし、朝のひんやり感は得がたいものがありますので、涼しいうちに運動してくださいね。宿坊体験、ぜひ一度してみてくださいね~。
by whitered (2010-07-24 18:08) 

アマデウス

智積院での宿坊体験、素晴らしいですね☆
特に朝の勤行で30人以上の僧侶の声明の荘厳さが想像出来ました☆
勉強になりました☆ありがとうございます☆
by アマデウス (2010-07-29 07:35) 

whitered

アマデウスさんへ:コメントありがとうございます。少し前に教育テレビでも宿坊をシリーズで取り上げていましたが、朝の勤行を除いては、旅館に泊まっているのと変わりがないほどです。でも、その一時間の朝の勤行が素晴らしかったです。密教の流れを汲むお寺だけあって、神秘的かつ華やぎがありました。
by whitered (2010-07-29 20:36) 

MARIEL

はじめまして。MARIELと申します。
私事ですが、ただ今夫が智積院で修行をしております。
なのでおそらく朝勤におりました僧侶の中にいたはずなので・・・
このようにお褒めの言葉をいただけると私も大変嬉しく思います。ありがとうございます!(ですので思わずコメントを書かせていただきました。)

私も何度も智積院へ訪れておりますが、何度行っても飽きない、あの落ち着いた空間が大好きです。庭園もすばらしいですよね。
でも宿坊はまだ宿泊したことがないので、とても参考になりました^^ありがとうございました。そして失礼いたしました。

by MARIEL (2010-07-31 23:29) 

whitered

MARIELさんへ:ご来訪そしてコメントありがとうございます。そうでしたか!あの場所に修行なさっているご主人がおられましたか!全国のお寺のお坊様が修行なさっているとは聞いていましたが、奇縁というか、仏縁というか計り知れないものがありますね。うちは真言宗ではありませんが、友だちに真言宗の方がおられて、ぜひ訪れてみてはと勧めたところです。朝勤というのですか?それはそれは素晴らしいお経でした。キリスト教でいうと、大勢の方による賛美歌のように美しくもありました。どうぞ、お留守の間、お寺を守ってご主人の修行を見守ってあげてくださいね。
by whitered (2010-08-02 09:46) 

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