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七月大歌舞伎 [古典芸能]

三代目中村又五郎襲名披露

 友だちに誘われて、松竹座の「七月大歌舞伎」に行ってきた。
夜の部で、演目は次の通り。

一、義経千本桜  渡海屋大物浦
二、三代目中村又五郎 四代目中村歌昇 襲名披露 口上
三、道行初音旅  吉野山
四、天衣紛上野初花  河内山

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私は、今年誂えた秦流舎の紋織りの絽の色無地にしょうざんの帯を締めて行ったが、道中の暑い、暑いこと。
席は友だちの友だちが便宜を計ってくれて、二階の正面の一番前。なかなかいい席だった。

義経千本桜は、吉右衛門の渡海屋銀平じつは新中納言平知盛で、女房お柳じつは安徳帝の乳人典侍の局(すけのつぼね)に中村魁春が演じている。源義経には、中村梅玉。武蔵坊弁慶には、中村歌六。
渡海屋に逗留している義経一行に鎌倉方の追手が船を出すように迫るが、あるじ銀平は断る。はたして義経の味方と思われたが、じつは源氏に復讐する機会をうかがっていた平知盛の仮の姿。
出発した義経を追って、大物浦に出陣するが、義経方に敗北する。知盛は、安徳帝の保護を義経にたのんで大碇を体に巻きつけ海に飛び込む。
みどころは、なんといっても大きな碇を巻きつけた知盛が、あおむけに海に落ちていく場面だ。観客が思わずオオーッという歓声を上げる。
今年は、清盛ブームからか、平家物語に題材を求めた出し物が目白押しだ。能でも狂言でもいえる。
口上では、吉右衛門が音頭をとり、おもしろおかしくユーモアたっぷりの挨拶を展開した。
又五郎さんは、義経千本桜の吉野山で、佐藤忠信役で舞踊を披露された。それが、上手なこと上手なこと。
指先やかしらのちょっとした表情で、何とも言えないしぐさから出る美しさを表現されていた。
あまり存じ上げなかった役者さんだったが、今後は注目したい人だなと思った。
芝雀の静御前も美しかったが、男役の舞踊になんとも言えない魅力を感じた。
後日、通しで昼夜の公演を観た人が、同じことを言っておられたので、私の鑑賞眼もまんざらではないと思った。仁左衛門さんは、滑稽な役回りで早見藤太を面白おかしく演じられた。あのメーキャップからは、往年の二枚目は感じられなかったのだが、きっと引き立て役に回られてたのだろう。
「河内山」では、場面が地味だったせいもあったかと思うが、七五調の台詞の面白さを一生懸命に聞き取ろうとして、いつの間にかうつらうつらと舟を漕いでしまった。

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よかったので、また九月の中村勘九郎の襲名披露公演にも行きたいなと思った。
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