ちかごろの読書 [本]
少しは読まないと
はじめに今日は(昨日になるかな)立春、だいぶ日が長くなってきましたね。春らしい写真をお一つ。職場の梅の花が咲きました。白梅の方は、少し日当たりがいいので、先に7分咲きです。紅梅も一つ二つ、ほころんでいました。
そして、本題の本について。
電車に乗ったときなど、退屈なので本を読むようにしている。それ以外では、よほど興が乗らないと、最近は読まない。テレビやパソコン、編み物に時間が盗られてしまう。
昨年の暮れから読み始めた本、一つは松本清張の『球形の荒野』。昨年は太宰治とともに生誕百年でテレビなどにもたびたび登場していた。松本清張は、若い頃あまり読まなかった。どちらかというと横溝正史の本ばかり読んでいた。松本清張の本をあれこれ探していて、ぺらぺらめくっていると、始めの部分によく知っている地名やお寺の名前が出てきた。西ノ京・薬師寺・唐招提寺・岡寺・橘寺などなど。それで読んでみようと思ったのだ。
内容は、戦後20年が過ぎた頃の話で、登場人物の一部は戦争と関わっていた。お寺の芳名帳の筆跡から謎が始まっていくのだが、文章がいい。下巻の末尾に半藤一利さんが書いているとおり、出だしが名文であった。それで、読む気になったのかもしれない。内容も推理小説に必須条件の次を読みたいと思わせるものがあった。読んでいる途中で何回か思ったことだが、「なんで携帯電話をかけないの?」と。その頃はまだそんな便利なものがあるはずもないのに、どっぷりと現代生活のただ中に浸かっている自分がおかしかった。
もう一冊は、藤原伊織の『ダナエ』。グスタフ・クリムトの「ダナエ」かと思ったが、実はレンブラントの「ダナエ」という絵があって、それにまつわる短編などで構成されている。藤原伊織は2007年に59歳で亡くなった。団塊の世代を代表するハードボイルド作家であるが、『テロリストのパラソル』で直木賞をとっている。惜しい人の一人である。この文庫本には他に『まぼろしの虹』と『水母』が収録されているが、どれもいい味を出している。解説で小池眞理子さんが書いているが、<荒ぶる諦観>とリリシズム、ロマンティシズムが混在しているが、カッコイイ作者だなと思った。ちなみにレンブラントの『ダナエ』はエルミタージュ美術館で盗難にあった絵だそうだ。この絵は私も知らなかった。藤原伊織はひょっとして西洋美術や現代美術に造詣が深かったのかもしれないなあ。
はじめに今日は(昨日になるかな)立春、だいぶ日が長くなってきましたね。春らしい写真をお一つ。職場の梅の花が咲きました。白梅の方は、少し日当たりがいいので、先に7分咲きです。紅梅も一つ二つ、ほころんでいました。
そして、本題の本について。
電車に乗ったときなど、退屈なので本を読むようにしている。それ以外では、よほど興が乗らないと、最近は読まない。テレビやパソコン、編み物に時間が盗られてしまう。
昨年の暮れから読み始めた本、一つは松本清張の『球形の荒野』。昨年は太宰治とともに生誕百年でテレビなどにもたびたび登場していた。松本清張は、若い頃あまり読まなかった。どちらかというと横溝正史の本ばかり読んでいた。松本清張の本をあれこれ探していて、ぺらぺらめくっていると、始めの部分によく知っている地名やお寺の名前が出てきた。西ノ京・薬師寺・唐招提寺・岡寺・橘寺などなど。それで読んでみようと思ったのだ。
内容は、戦後20年が過ぎた頃の話で、登場人物の一部は戦争と関わっていた。お寺の芳名帳の筆跡から謎が始まっていくのだが、文章がいい。下巻の末尾に半藤一利さんが書いているとおり、出だしが名文であった。それで、読む気になったのかもしれない。内容も推理小説に必須条件の次を読みたいと思わせるものがあった。読んでいる途中で何回か思ったことだが、「なんで携帯電話をかけないの?」と。その頃はまだそんな便利なものがあるはずもないのに、どっぷりと現代生活のただ中に浸かっている自分がおかしかった。
もう一冊は、藤原伊織の『ダナエ』。グスタフ・クリムトの「ダナエ」かと思ったが、実はレンブラントの「ダナエ」という絵があって、それにまつわる短編などで構成されている。藤原伊織は2007年に59歳で亡くなった。団塊の世代を代表するハードボイルド作家であるが、『テロリストのパラソル』で直木賞をとっている。惜しい人の一人である。この文庫本には他に『まぼろしの虹』と『水母』が収録されているが、どれもいい味を出している。解説で小池眞理子さんが書いているが、<荒ぶる諦観>とリリシズム、ロマンティシズムが混在しているが、カッコイイ作者だなと思った。ちなみにレンブラントの『ダナエ』はエルミタージュ美術館で盗難にあった絵だそうだ。この絵は私も知らなかった。藤原伊織はひょっとして西洋美術や現代美術に造詣が深かったのかもしれないなあ。
朝は気温が下がって、いままでに無い寒さですが、確実に、日の長さや太陽高度が高くなって来たので、やはり、春を感じますね。
紅梅や白梅の画像を見せて頂いて、外に出て歩きたくなりました♪
by SAWA (2010-02-05 13:36)
SAWAさんへ:お返事が遅くなりました。昨夜から京都に行っていましたが、今朝は雪が降ったり、陽が照ったりのタヌキの嫁入り?でした。まだまだ寒い日がありますが、陽気も良くなってくるのは間違いがないことなので、近場の梅の名所に出かけてくださいね。
by whitered (2010-02-06 17:38)
ダナエと言えばクリムトが思い浮かびます。
クリムトのダナエは大好きな絵なので。
レンブラントのダナエは知りませんでした^^;
素敵な絵ですね。
by 雨香 (2010-02-06 18:18)
雨香さんへ:コメントありがとうございます。そうですよね。クリムトですよね。レンブラントの方が古いと思うのですが、ゼウスの化身の黄金の雨はどれだろうと思ってしまいます。ダナエと老婆の目線の先だと思いますが。webでは、もう少し大きい絵もあるようですよ。
by whitered (2010-02-06 18:27)
こんばんは、さくらです♪
子どもの頃から本が好きで、父と外出すると、必ず何冊か買ってくれました。
通勤電車の中で、熱心に読書されてる方をよく見かけます。
わたしも文庫本を持って、通勤してみようかなあと思いました。
ふだんは、病院の待ち時間に、本が欠かせません。^^
by sakura (2010-02-07 00:45)
sakuraさんへ:コメントありがとうございます。活字に抵抗がないのは、得なことですね。お父さんに感謝ですね。私は、あまり本を選びませんが、つねに3冊くらいは平行して読んでいます。それもジャンルの違う本だと、話がごっちゃにならずに済みます。一番早く読めるのは、やはり小説ですね。
by whitered (2010-02-07 01:15)