インビクタス/負けざる者たち [映画]
イーストウッド+フリーマン+ディモン
土曜日、近くの映画館に『インビクタス/負けざる者たち』を観に行った。クリント・イーストウッドが監督をし、モーガン・フリーマンとマット・ディモンのコンビが主演、助演ということで観たいと思っていた。南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラ氏とラグビーWカップをとおした新しい国づくりを描いていた。と思うが、単なるスポーツ映画ではなかった。マンデラの不屈の魂が、選手たちに響き、ついには国中が一つになってW杯の頂点に立つという物語だ。
マンデラ氏の略歴を書いてみると、
南アフリカ連邦時代の1918年に生まれる
1948年 アパルトヘイト(人種隔離政策)が法制化される。
1950年 ANC(アフリカ民族会議)の青年同盟の議長になる。
1961年 英連邦を離脱し、南アフリカ連邦共和国が成立する。その年にANCの軍事組 織『民族の槍』が結成され、司令官になる。
次の年に逮捕され、終身刑でロベン島の監獄に入れられる。
1982年 本土の刑務所に移管
1990年 27年目に釈放される
1993年 ノーベル平和賞を受ける。
1994年 アパルトヘイト完全撤廃
全人種参加の総選挙でANCが勝利、マンデラ氏が大統領になる。
1995年 ラグビーのワールドカップで南アが優勝する。大統領として初来日。
1999年 マンデラ氏引退
2010年 サッカーW杯開催予定
今年、92歳だそうだ。大統領を惜しげもなく一期で辞め、故郷で静かに暮らしているということだ。マンデラ氏は、一党独裁を好まず、いろんな党や人種で政治を動かせることを理想としていた。『虹の国』というアイデアがそれだ。とにかく、型破りな人で、ロベン島時代も看守と一緒に海の幸を食べたりしたそうだ。人間的な魅力にあふれた人で、今回の映画も彼の偉業をたたえるものになるならと、上の三人が引き受けたようだ。
じつは、私もネルソン・マンデラ氏を遠目に見たことがある。扇町プールで集会があったときに、彼が来た。たしか、南アフリカの民族音楽のグループと一緒に。大統領になる前だったような気がするが。
マンデラ氏は、獄中に愛読した詩がある。それが、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーが書いた『インビクタス』である。
私を覆う漆黒の夜 鉄格子にひそむ奈落の闇
どんな神であれ感謝する 我が負けざる魂<インビクタス>に
無惨な状況においてさえ 私はひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされ 血を流そうと決して頭は垂れまい
激しい怒りと涙の彼方には 恐ろしい死だけが迫る
だが長きにわたる脅しを受けてなお 私は何一つ恐れはしない
門がいかに狭かろうと いかなる罰に苦しめられようと
私は我が運命の支配者 我が魂の指揮官なのだ
すごい詩があったものだ。とくに最後の行は、映画の中でもしっかりと結ばれていた。
ラグビー好きの人もたまらないだろう。ニュージーランドのオールブラックスのド迫力、ハカダンスは、実際そのままだった。南アのスプリングボクスが飛び出す時に「ボカ」と言ってのけるのも、面白い対比を出していた。スローモーションで描かれるスクラム・ラン・バックへのパス・トライ・タッチダウン、そしてゴールキック。飛び散る汗。すごい迫力でまさに肉弾相打つといった感じだった。
最後に流れるあの歌は、マーラーのジュピター?ジャズ調のいい調べだった。
土曜日、近くの映画館に『インビクタス/負けざる者たち』を観に行った。クリント・イーストウッドが監督をし、モーガン・フリーマンとマット・ディモンのコンビが主演、助演ということで観たいと思っていた。南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラ氏とラグビーWカップをとおした新しい国づくりを描いていた。と思うが、単なるスポーツ映画ではなかった。マンデラの不屈の魂が、選手たちに響き、ついには国中が一つになってW杯の頂点に立つという物語だ。
マンデラ氏の略歴を書いてみると、
南アフリカ連邦時代の1918年に生まれる
1948年 アパルトヘイト(人種隔離政策)が法制化される。
1950年 ANC(アフリカ民族会議)の青年同盟の議長になる。
1961年 英連邦を離脱し、南アフリカ連邦共和国が成立する。その年にANCの軍事組 織『民族の槍』が結成され、司令官になる。
次の年に逮捕され、終身刑でロベン島の監獄に入れられる。
1982年 本土の刑務所に移管
1990年 27年目に釈放される
1993年 ノーベル平和賞を受ける。
1994年 アパルトヘイト完全撤廃
全人種参加の総選挙でANCが勝利、マンデラ氏が大統領になる。
1995年 ラグビーのワールドカップで南アが優勝する。大統領として初来日。
1999年 マンデラ氏引退
2010年 サッカーW杯開催予定
今年、92歳だそうだ。大統領を惜しげもなく一期で辞め、故郷で静かに暮らしているということだ。マンデラ氏は、一党独裁を好まず、いろんな党や人種で政治を動かせることを理想としていた。『虹の国』というアイデアがそれだ。とにかく、型破りな人で、ロベン島時代も看守と一緒に海の幸を食べたりしたそうだ。人間的な魅力にあふれた人で、今回の映画も彼の偉業をたたえるものになるならと、上の三人が引き受けたようだ。
じつは、私もネルソン・マンデラ氏を遠目に見たことがある。扇町プールで集会があったときに、彼が来た。たしか、南アフリカの民族音楽のグループと一緒に。大統領になる前だったような気がするが。
マンデラ氏は、獄中に愛読した詩がある。それが、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーが書いた『インビクタス』である。
私を覆う漆黒の夜 鉄格子にひそむ奈落の闇
どんな神であれ感謝する 我が負けざる魂<インビクタス>に
無惨な状況においてさえ 私はひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされ 血を流そうと決して頭は垂れまい
激しい怒りと涙の彼方には 恐ろしい死だけが迫る
だが長きにわたる脅しを受けてなお 私は何一つ恐れはしない
門がいかに狭かろうと いかなる罰に苦しめられようと
私は我が運命の支配者 我が魂の指揮官なのだ
すごい詩があったものだ。とくに最後の行は、映画の中でもしっかりと結ばれていた。
ラグビー好きの人もたまらないだろう。ニュージーランドのオールブラックスのド迫力、ハカダンスは、実際そのままだった。南アのスプリングボクスが飛び出す時に「ボカ」と言ってのけるのも、面白い対比を出していた。スローモーションで描かれるスクラム・ラン・バックへのパス・トライ・タッチダウン、そしてゴールキック。飛び散る汗。すごい迫力でまさに肉弾相打つといった感じだった。
最後に流れるあの歌は、マーラーのジュピター?ジャズ調のいい調べだった。
2年ほど前に南アフリカに行きましたが、本当に凄い差別を感じて帰りました、、、。済む場所、家並みだけ見ても、分かるほどです。
まだ、まだ、、、
久々映画を見ておりませんが、是非みたい映画ですね。
ご紹介に感謝します~(^_^)♪
by SAWA (2010-03-08 16:08)
SAWAさんへ:たくさんのniceとコメントありがとうございます。多くの国を訪れていらっしゃいますね。マンデラ後の南アフリカでは、原住民の中でも持てるものと持たざるものの格差が、広がっているようですね。南アだけではないのかもしれませんが。
by whitered (2010-03-08 20:56)
マンデラ氏を見たことがあるなんてすごいですね!
僕もこの映画観ました。クリント・イーストウッドはハズレがありませんね。
南アフリカは今年ワールド・カップですね。大丈夫でしょうかね。
by りんこう (2010-03-10 22:25)
りんこうさんへ:コメントありがとうございます。平和集会に招かれたマンデラ氏を遠くから見ただけなんですが、あの時のアフリカのパワーには、驚かされました。イーストウッドは、ぶれないですね。現地も、日本チームも全力を挙げて、いい大会にしてほしいですね。
by whitered (2010-03-11 00:18)