「天才たちの値段」 [本]
今年はじめて読んだ本
お昼ごろ、パソコンに向かっていると、携帯が鳴った。
「えっ、今日やった?」
友だちとの昼ごはんの約束をすっかり忘れていたのである。
さいわい、約束の場所は自転車で15分くらいで行けたので、化粧もしないまますっとんで行った。
かくのごとく、正月明けはかたつむりのごとく、のろのろと過ごしているわたしである。
その私が今年初めて読んだ本が「天才たちの値段」だ。
作者門井慶喜は、今回二冊目。以前に「天才までの距離」を読んで面白かったのを覚えている。
「天才たちの値段」は、それよりも以前に書かれたものだったが、期待にたがわず面白かった。
ジャンルは美術ミステリーとでもいうのだろうか、副題に<美術探偵・神永美有>とある。
後の解説では、私(佐々木昭友・・某短大講師)がワトソン役で、神永美有(美術コンサルタント)がシャーロック役のようなことを書いていた。神永美有は、ここではもっと神秘的で白魚のような青年でモノセクシャルな存在である。五つの短編小説から成り立っているので、軽くおしゃれな小説だ。
ミステリーといえど、だれも死なないので後味が良い。
目次を紹介すると、
天才たちの値段・・・(ボッティチェッリの作品だとする絵について)
紙の上の島・・・(モラエスから譲り受けた地図について)
早朝ねはん・・・(ある寺から出てきた涅槃図について)
論点はフェルメール・・・(天秤を持つ女のもう一枚の絵をめぐって)
遺言の色・・・(佐々木の祖母の財産相続をめぐって)
私が一番面白かったのは、「遺言の色」かなあ。赤、緑、青の三つの箱の中に正解があり、選んだものに遺産相続の資格を与えるというものだが、7つの謎が書かれていて、その謎解きをするのが面白い。
佐々木という人物の生い立ちや神永との友情なども書かれていて、主人公への親近感が増したようだった。佐々木が、東京の某短大から京都のZ大の講師の話を受け、悩みつつも京都へ行く決心をするが、作家自身も生まれ故郷の群馬県からある時期に京都に移るのも分身をみるようで面白い。
さて、今年はこのあと有川浩の本を読んでみようかな。
お昼ごろ、パソコンに向かっていると、携帯が鳴った。
「えっ、今日やった?」
友だちとの昼ごはんの約束をすっかり忘れていたのである。
さいわい、約束の場所は自転車で15分くらいで行けたので、化粧もしないまますっとんで行った。
かくのごとく、正月明けはかたつむりのごとく、のろのろと過ごしているわたしである。
その私が今年初めて読んだ本が「天才たちの値段」だ。
作者門井慶喜は、今回二冊目。以前に「天才までの距離」を読んで面白かったのを覚えている。
「天才たちの値段」は、それよりも以前に書かれたものだったが、期待にたがわず面白かった。
ジャンルは美術ミステリーとでもいうのだろうか、副題に<美術探偵・神永美有>とある。
後の解説では、私(佐々木昭友・・某短大講師)がワトソン役で、神永美有(美術コンサルタント)がシャーロック役のようなことを書いていた。神永美有は、ここではもっと神秘的で白魚のような青年でモノセクシャルな存在である。五つの短編小説から成り立っているので、軽くおしゃれな小説だ。
ミステリーといえど、だれも死なないので後味が良い。
目次を紹介すると、
天才たちの値段・・・(ボッティチェッリの作品だとする絵について)
紙の上の島・・・(モラエスから譲り受けた地図について)
早朝ねはん・・・(ある寺から出てきた涅槃図について)
論点はフェルメール・・・(天秤を持つ女のもう一枚の絵をめぐって)
遺言の色・・・(佐々木の祖母の財産相続をめぐって)
私が一番面白かったのは、「遺言の色」かなあ。赤、緑、青の三つの箱の中に正解があり、選んだものに遺産相続の資格を与えるというものだが、7つの謎が書かれていて、その謎解きをするのが面白い。
佐々木という人物の生い立ちや神永との友情なども書かれていて、主人公への親近感が増したようだった。佐々木が、東京の某短大から京都のZ大の講師の話を受け、悩みつつも京都へ行く決心をするが、作家自身も生まれ故郷の群馬県からある時期に京都に移るのも分身をみるようで面白い。
さて、今年はこのあと有川浩の本を読んでみようかな。
2013-01-10 04:29
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