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映画「25年目の弦楽四重奏」 [映画]

永年の人間関係の修正の物語または終焉と再生

 なんて自分なりにテーマをまとめてみました。
速い話が、映画館に避暑に行ったわけですが、それなら少しでもましな映画を観ようと、はるばる梅田ガーデンシネマへ行きました。

音楽映画が好きなのですが、これは家族や夫婦、仕事仲間の人間関係を弦楽四重奏楽団を通して描いたもので、音楽は二の次でありましたが、ベートーベンが死ぬ半年前に書き上げたという「弦楽四重奏14番」が大事なモチーフになっていて、映画のイメージを構成していることは確かです。

ヤーロン・ジルバーマンという監督・脚本・製作を手掛けた方がすごい。マサチューセッツ工科大学の物理学の学士号とオペレーションズ・リサーチの修士号を持っているという、異色の監督です。アメリカ映画もだいぶ変わってきた感じがします。

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ことは、クリストファー・ウォーケン扮する”フーガ”四重奏楽団のチェリストの、突然の発病から始まる。
第二バイオリン担当のフィリップ・シーモアは、ひた隠しにしていた野望を語りはじめ、ヴィオラ奏者の妻(キャサリン・キーナー)との間に亀裂が生じて行く。二人の愛娘で第一バイオリン奏者をめざすアレクサンドラは、個人的に指導してくれている”フーガ”の第一バイオリン奏者のダニエルとややこしくなってしまうし、とんだ不協和音に陥ってしまう。
しかも、チェリスト引退を飾る演奏会の曲目がベートーヴェンの「弦楽四重奏第14番」。第7楽章まである曲をベートーヴェンは「アタッカ」で演奏するように指示している。つまり、ポーズ(休み)を入れずに演奏するという曲だった。
最後の演奏会の場面が観ている方がはらはらドキドキして、圧巻だった。
チェリストは完ぺきな幕引きをやってのけた。
しかも、なにも語らずして、この集団はあんがいとうまくやっていけるのかもと、安心感を与えてくれるようなエンディングだった。
あの一昨年の映画「オーケストラ」と並ぶ、いい音楽映画だったと思う。音響も素晴らしく、ちょっとした音のズレなんかも素人でも分かるようにしくんであった。音楽院での学生への指導の場面も良かったなあ。

終わってみると、観に来ている人がほとんどが女性であったのが、ちょっと残念でしたね。


ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番

  • アーティスト: スメタナ四重奏団,ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2004/03/24
  • メディア: CD



ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全

  • アーティスト: ジュリアード弦楽四重奏団,ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1997/06/21
  • メディア: CD



ベートーヴェン : 弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 作品74 「ハープ」

ベートーヴェン : 弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 作品74 「ハープ」

  • アーティスト: グァルネリ弦楽四重奏団,ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2000/09/23
  • メディア: CD



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